SPPさんの体験談「発達障害の私が障害者雇用枠で働く上での問題点と人間関係への工夫」

 

私はADHDASD(大人の発達障害)両方の傾向があり、現在障害者雇用枠で就労しています。

 

苦手とする場面や配慮を必要とするところはありますが、自分では「概ね人並みに仕事ができている」と考えており、病院の医師からも「さほど業務に支障があるようには見えない」と言われています。

 

しかし周囲の人々、特に私が「精神障害を抱えている人」と知っている人からは、

障害を過剰に捉えられてしまっているのではないかと感じます。

 

この、精神障害に対しての過剰反応は、障害者就労を始めた当時、非常にストレスを感じていました。


診断当時、医師からは「障害ではなく、特性と考えてはどうか」と言われました。

 

心理士とのカウンセリングも利用して長い時間をかけ、

最近では「これは障害だが、特性でもある」という考えを持つことが出来るようになりました。


その反面、「障害」という言葉に対して周囲が過剰反応していること、

ほとんど全てのネガティブな事柄が「障害」に結びつけられていると感じることは非常に多くあります。


全く関係のないことに対して「障害」を結びつけられることもありました。

 

例えば、会社の運動会に関する事柄を決めている際に私が「運動が苦手」というと、

私が障害者雇用であることを知っている先輩から「それは障害があるから?」など、

明らかに差別的で、見当外れのことを言われたこともあります。

 

服用薬の影響で運動に制限があるという認識があったようです。

障害を持っていない健常者からすると、そういう勘違いをする余地があるのです。

相手の考えも分からなくはありません。

精神障害は、ほとんどの場合において外見からは分からない障害です。


手足に障害があって器具を使っていたり、車椅子に乗っている人などに対しては、

「(健常者が)どうすれば障害者は喜んでくれるか、相手は何をしてほしいのか」、

と想像することは比較的容易です。障害が見えているがゆえに積極的に協力してくれる人もいます。


何が悪いのか、どういう状態なのか、インターネットで情報収集すれば概ね正しい情報が得られます。

端的に言ってしまえば「他人にとってわかりやすい障害」です。


一方、精神障害はカミングアウトしてもらわなければ分からないことが多いです。

「どのような配慮を欲しているか」、「何をすれば喜んでもらえるか」、「何が出来て何が苦手なのか」

ということを周囲や外見から理解するのは困難だと思います。

 

精神障害は身体障害や内科・外科のような病気と違い、千差万別です。

ネットの情報を見ても、それが100%とは言えません。他人にとって非常に難しい障害だと思います。

私は障害者雇用で就労し始めた当時、相手の理解や配慮について齟齬や勘違いがあると、

その度に障害について説明して相手への理解を求めていました。


しかし、障害に対して相手に理解を求めようと行動すると、自分も相手も非常に疲弊します。

こちらから無理に情報を押し付けても、大抵は大幅に時間を消費して相手が混乱するだけです。

そのため、最近ではそのような状況に対して積極的に自分から障害に対して関わりに行きません。

無理に過剰な説明をせず、自分にとって不都合があるときにだけ、

必要最低限、伝わるか伝わらないか程度の説明をしています。

精神障害について、自分から真っ直ぐに向き合うことは良いことだと思います。

 

しかし、それに他人を巻き込んでも期待するほどのメリットはありません。

自分の状態を事細かく伝えても、周囲の精神障害に対しての理解は深まることはほとんどありません。


障害者雇用として働いていく中で、周囲との関わりは必須です。

 

それをどのように上手くこなしていくかということは、

精神障害者が障害者雇用で働く上で一番重要なことだと思います。

真正面から障害をと向き合わないという工夫も、会社の中で長く働く上で必要だと思います。

 

以上、体験談