KOOさんの体験談「成人ADHDの私がメディアの多忙な業務で鬱病になり3ヶ月間の休職を得て復職・退職した話」

 

私は50歳ぐらいの時に自分が成人ADHD(大人の発達障害)であることが発覚しました。

職場で鬱になり約3ヶ月間休職して、同じ職場の同じ部署に復職したのですが、すぐに退職しました。

 

仕事は海外を主な相手先とする通信社のデスク業務なので、

いわばニュースの卸売りで、いつも息つく暇もありませんでした。

同じ職場の同じ部署への復職後は、

まわりは、「休職して、遊んでいたのだから」「今度は倍返ししてもらはなくては損だ」と、

というような発想をお持ちで、前よりも精神的なプレッシャーは一層強くかかってきました。

確かに私が休んでいた間は、遅番のシフトは一週間に最高でも2回のところ、3回も回ってきた人もいて、
復職した時には「早く、遅番に入ってくれよ」との無言の圧力をヒシヒシと感じておりました。


遅番は海外がメインの通信社には主要メディアの欧米が朝から昼なのに対して、

こちらは午前零時頃で、一番人員が少なく、きついシフトです。

 

中番組が午後11時半に帰ると、遅番のライター二人で海外から送られてくる案件をこなしたり、
日本でも夜中に頻繁に起きる震度
3以上の地震を初め、
その他大量の殺人事件や何か重要なニュースが起きれば二人でこなさなければならず、トイレにも行けないぐらいです。


「中番の人にもう少し残ってもらえば良いではないか?」とよく聞かれるのですが、
午後
11時半はタクシーではなく最終電車に間に合う時間帯なのです。

昔はタクシーで帰ってもらう事も結構多くありましたが、バブル崩壊後はそれは無くなりました。
タクシー使用は特別な場合を除いてはNGになりました。


特別な場合とは、以前の昭和天皇崩御や小渕総理死去だとかアメリカ同時多発テロだとか、
ペルーのリマでの大使公邸での人質事件解放の銃撃戦などです。
時間に関係なく、ライターデスクとも全員に電話で呼び出しがかかりますから別格です。


でも、これらのシフトを超越した案件はめったには起こりませんから、
基本的にはライター
1人でデスクをこなさなくてはなりません。

ライターも日本人とは限らず、日本語の出来る外人(アメリカ人が多い)も結構いますので、
時々日本語の意味を獲り間違えて、海外の支局から問い合わせの電話がかかってくることしばしばです。

 

でも、その前に一緒に仕事をしているライターの質問にも答えなければいけません。

たとえば、「.......とうがった見方をする向きもある」の「うがった見方」とはどんな見方?

とか「向きもある」とは単数処理なのか複数処理なのか?とか。

「山下は日本代表を見送った」がYamashita bidded farewell to the Japanese team. など、あがってきた英語をみて、慌てて直すこともしばしばです。「あのなあ~、見送るにはバイバイだけでなく、出場を見合わせる、つまり、取りやめるという意味もあるんだよ」と書いた外人に注意する羽目になります。

業務が忙しく、私はうつ病にかかり、お医者様に通院する羽目になりました。

抗うつ薬と睡眠薬を飲んでおり、診断書を持って部長にまたしばしの休職をお願いにあがりました。

 

ただ、今度はある程度覚悟を決めておりましたので、
休職期間が空けた
3ヶ月後には復職すると同時に部長には退職届を「一身上の都合」で出し、受理されました。

教訓、勤務時間がいびつなシフトのある所では働かない。でもこれも私が辞めた10年ぐらいの前の話で、
今はテレワークという言葉に代表される様に、仕事する場所に左右されなくなりました。
最近、私が働いていた通信社の元部下複数が、あっちこっちのTV番組によく出るのを見るたびに、複雑な気持ちです。

 

以上、体験談