ORRさんの体験談「障害者雇用枠に転職した成人ADHDの私の仕事上の3つの問題と今行っている工夫と対策」

 

■私がADHDと診断されるまでの経緯

私は、社会人になってからADHD(大人の発達障害)と診断され、障害者手帳の交付を受けました。
それまでの経緯についてですが、社会人になってからADHDになったというよりは、元々そういう傾向があり、社会人になって直面する状況の中で、その傾向がADHDと認定されるまでに顕在化したと言えます。

思い返すと、私は幼少時から、物事を効率的にこなしたり、社交的に振舞ったりすることが苦手で、常に不安だったように思いますが、自分の興味あることをコツコツとマイペースにこなすことはでき、学業は継続できたため、周囲から問題視されることはありませんでした。


しかし、大学卒業後に新卒で就職し、学生時代とは異なる高度な社会性を要求されるようになると、それに全く適応できず途端に自信をなくし、短期間で退職してしまいました。


その後、弱点の克服も念頭に様々な経験(進学・就労など)を積みましたが、状況は改善されず精神的に追い詰められる一方だったので、精神科を受診し、社会人になってかなり経ってからADHDの診断を受けた次第です。

ADHD
という発達障害と診断されると、障害者手帳の交付を申請しました。


申請は任意ですが、自分の最大の悩みが就労の難しさで、障害者手帳を持つことで障害者雇用の機会が得られると思ったのです。


障害者手帳が交付されると、まず障害者手帳保有者を対象にした就労移行支援施設に通い、その後、障害者雇用の枠で就職しました。


■以前に起こった仕事上の3つの問題

現在、障害者雇用を続けていますが、自分がADHDであることを自覚し、言動に注意しながら仕事をしています。
学校を出て障害者手帳を交付されるまで、正社員やアルバイトなど様々な仕事をしましたが、なぜそれらが上手くいかなかったを自己分析すると、次のような3つの問題が大きかったと思います。

①仕事の手際が悪い
②睡眠障害の傾向がある
③コミュニケーションが上手くいかない

これらは、発達障害そのものの問題というよりも、私が仕事に臨んだ際に、脳の特性の偏りに起因して現れた、二次障害と言えます。

まず、①と②については、ADHDの特性として関連していると思います。
ADHD
は、「注意欠如・多動性障害」ですが、私も平たく言えば、ぼんやりしがちで、時に気が散ってそわそわしてしまうため、仕事の手際も悪く、「もう少しテキパキできないのか?」などと叱られることが多かったです。


また、日常生活でも「ぼんやり・そわそわ」してしまうため、日中の雑事もまとめられず、常に寝るのが遅く、起きるのも遅くなってしまい、そのため、常に遅刻ギリギリに出社し、仕事中も頭が回らずに集中力を欠く状態でした。

③については、私は、診断名はADHDですが、ASDの傾向も指摘されているため、その影響かと思います。


平たく言えば、空気が読めず、周囲とのコミュニケーションが上手くできません。
業務上適切なやり取りだけでなく、雑談も上手くできないため、周囲とギクシャクし、時に険悪な状態となり、職場に居づらくなってしまっていました。


■今行っている仕事上の3つの対策

今の職場では、これらの問題への対策を考えて仕事もしています。

①と②の対策として、一番大きいのは、コンサータの服薬です。


コンサータはADHD治療薬の一つで、これを飲むと、平たく言えば、頭がシャキッとします。
これにより、朝早く起きて、テキパキ支度して出社し、日中集中力を保つことが辛うじてできています(無理に頭を働かせているような感覚があり、心身に疲労を感じますが)


また、物事の整理整頓が苦手なので、意識的に持ち物を減らし、行動がモタモタしないようにしています。


さらに、仕事の手際が悪いのは、自分なりに何をしようか考えてしまうからだと自覚し、自分で考えるよりもまず、周囲の動きをマネすることに集中して、周囲から浮かないようにしています。

③の対策としては、無理にコミュニケーション力を上げようとはせず、まずは「余計なことを言わない」のを心掛けています。


以前は、「コミュ力を上げねば」という脅迫観念があり、(今思うと)余計なことも無理して発言していた気がしますが、今は、ASDの傾向を自覚し、例えば、休み時間には目をつむるなど休むことに集中し、無理に雑談を仕掛けたりしないようにしています。


その代わり、仕事中は集中し、仕事に関することだけはきちんと言うように努力しています。
コミュニケーションを「用の口」だけに限定すれば、傾向と対策を想定できるので、周囲と何とか仕事をできています。


■おわりに

成人ADHDの私に以前起こった3つの問題に対して、今は対策を考えることで、仕事を継続できています。
とはいえ、障害者雇用の枠内なので、周囲に配慮してもらって成り立っている部分もあると思います。
今後は、一般雇用にも対応できるように、職業力を高めていきたいです。

以上、体験談